幼なじみ
□変わった日常
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「思い出した!?」
「…うん」
「やった!!」
そして千歳は陽をまた抱きしめた。
「痛いし、人が見てるから離れてってば」
「だってすごく嬉しいよ!!ずっと俺、会いたかったんだもん!」
「分かったから……」
陽は千歳が離れる気配がないのが分かると抵抗を諦めた。
千歳は陽の肩に顔を埋めた。
それが、犬みたいで可愛いと思った。
そうだ、昔の髪の毛が黒くてサラサラで小さい犬みたいだって思ったことがあったっけ。
陽が千歳を思い出しだこの瞬間、陽の日常が壊れて、幼なじみとの関係も変わっていった。
「日野くん!!」
イライラする。
「日野くん」
女子の声が耳について気持ち悪い。
いつもならこんなの、無視出来るのに。
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