幼なじみ
□異変
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今ではすっかり有名になった転校生、神谷千歳が来てしばらく経った。
それまでの日常ともすっかり変わって、新しい日常にも大分慣れてきた。
朝は、いつもの四人で学校へと向かう。
学校へ着くと、まるで待っていたかのように千歳が陽を迎えにきて、ほぼ強引に教室へと連れていく。
その時に浴びる、生徒達からの冷たい視線もいつものこと。
休憩時間は常に千歳が傍にいるから、他のクラスへ行くことは滅多に出来ない。
物を忘れることもないので、困ることもなかった。
昼休憩は、優夜が迎えにきて屋上へとご飯を食べにいく。
架連が来ることは、滅多になくなった。
放課後は、優夜と帰ることが大半。
たまに、怜とも帰ったりするけど。
千歳といるのは、楽しい。
周りの噂も慣れたから、それを苦に思うこともない。ただ、今までの日常に比べて、架連、優夜、怜と一緒にいる時間が少なくなった気がする。
……ちょっと、いや、かなり、俺はそれを寂しいと思っているのも確かだ。
「光下!!」
「ぅわ!」
背中に重みがかかる。
「ちょ、重いって。離れろよ、大野」
首だけ後ろに回して、重さの原因の相手に不満を言う。
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