幼なじみ
□異変
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「やっぱり、光下の髪ってふわふわで気持ちいいよな」
大野は陽の猫っ毛の髪をかき回す。
「ちょっと、グシャグシャにするなよ」
整えているわけでもないけど、敢えてグシャグシャにされるのは嫌だと思う。
陽はなんとかこの状態から逃げようとするが、敵わない。
「あ、また光下が大野に弄られてる」
「メッチャ髪グシャグシャだし」
何人かのクラスメイトが集まってきた。
大野はクラスの中ではムードーメーカー的な存在だ。
だから、大野のすること、いる場所には人が集まり同じ事をしやすい。
あっというまに陽は囲まれて色々と遊ばれる。その光景を女子は楽しそうに見て、止めようとはしない。
「ちょっと、みんなしてなんだよっ」
陽は叫びながら、少し思った。
こんな懐かしいノリ、しばらくあの面子で味わっていないかもしれない。
架連がバスケ部の部長で、今試合が迫ってるから時間が取れないから仕方ないのかもしれない。
それでも、やっぱり、意図的に避けられてる気がするのは気のせいかな?
陽は、みんなが楽しそうな雰囲気の中、一人だけ切ない気持ちになっていた。
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