幼なじみ
□異変
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「なぁ、架連。そろそろいいんじゃない?」
授業中に、優夜が後ろから言ってきた。
それを架連は振り向かずに聞く。
「なにが」
「陽のことだよ」
「だから、なにがだよ」
架連は板書をノートに怠そうに写しながら言う。
「いい加減、話してやれば?陽が寂しがってるよ」
「それ、アイツがお前にそう言ったのか」
少し口調を強めにして、優夜に言う。
それを優夜は、「ううん」と軽く流した。
「ただの俺の勘だよ」
「…そっか」
それなら、良い。
優夜にだけ、そんなことを言っているのかと思った。
実際にそうしてたら、俺は……。
「で、ダメなの?」
「仕方ねぇじゃん」
「いくら部長で試合があって忙しいって言っても、朝練と放課後の練習だけでしょ?」
優夜の問いつめるような言い方に、架連は「うるせぇ」とノートに眼を落とした。
「そんなの、怜だって似たようなものだろ」
「怜は、たまに陽と一緒に帰ってるみたいだよ?」
「は?」
優夜の答えに、架連は思わず大きい声を上げた。
その時に先生にちらりと見られたけど、成績が良いから注意がしにくいらしい。
代わりに優夜が「静かにしなよ」と注意してきた。
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