幼なじみ
□烈風の空 上
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すっかりみんなから大人気の千歳が、なんで俺を選ぶんだろう。
俺の何に、そんなに価値を見出してるんだろう。
「陽は、嫌じゃないの?」
優夜は心配そうに聞く。
「うん。大丈夫。だって友達だから」
「そっか」
「何、急に」
「ううん」
優夜は首を横に振った。
「俺はね、陽が幸せならそれで良いんだ」
…悲しいと思った。
だって、本当に、心の底から思ってるような表情で言うから。
なんか、痛くなってくる。
「…優夜」
何を言えば良いのか分からなくて、優夜の表情を見る。
でも、そこから何も読み取ることは出来ない。
「早く食べよう。最近、ここ寒くなってきたから」
優夜は笑顔で言って、箸を進める。
その近くで、千歳の話題の間、一度も、架連は何もしゃべらなかった。
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