幼なじみ
□一水の行方 上
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陽が周りを見回した。
「あれ?怜は?」
「あぁ、今日はちょっと遅いのかな?」
「てか、お前は最近怜ばっかだな」
優しく答えてくれる優夜。そして、架連が何か文句を言っている。
「心配するのは当たり前じゃない?」
「そういう意味じゃなくて…」
「まぁまぁ、朝からヤメなって」
ちゃんと理由を言ったのに、架連は怒る。それを優夜が止めて、架連は仕方なさそうに歩き始める。
「よく分かんないな」
「陽だからね」
「それ、どういう意味だよ」
なんか、すごくバカみたいな言い方をされた気がする。
「そこが陽の良い所だから、気にしない方が良いよ」
さっきの言われ方で、長所に受け取る方が無理だと思うんだけどな…。
「怜は、遅刻はしないんじゃない?生徒会なんだし」
「そうだよね…」
優夜は、陽の疑問に対して答えを提示する。
「じゃあ、お昼に会えるかな…」
「そんなに会いたいの?」
「そりゃ、昨日のこととかあるし…」
単純に、お父さんとの事を聞きたいだけ。
なんか告白っぽいことがあったのは、気のせいだと思うからそれについては何も聞かない予定。
「ふぅん。そっか」
「うん。そうだよ」
「俺は、陽の言うことだけは信じるから」
それって、なんか悲しいことに聞こえる。
「俺の言うことだけってのは、ダメだよ?他の人の言うことも、信じてあげてね?」
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