幼なじみ
□一水の行方 上
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その人の言う言葉しか信用出来ない。
それってすごく悲しいことだよ。
これから、すごく辛いと思う。
「…努力はするよ?でもやっぱり、俺には陽との言葉と約束だけが真実だな」
「…優夜」
たぶん、すごく意味があってそう思ってるんだと思う。
優夜にとって何かがあったんだ。
“約束”に関しては、少しだけ分かるから、もう何も俺からは言えない…。
「おい、お前らいい加減に行くぞ」
架連が腕組みをして苛々し始める。
「あ、ごめん。優夜、行こ?」
手を差し出して、優夜を見る。
「うん。行こっか」
俺だけは、真実を言わないと。
まだ、優夜の心がそう思ってるなら。
支えてあげないと…。
朝に思い直した陽の決意。
それが崩れるのは、すぐだった。
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