幼なじみ

□陽の当たる場所
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でも、そんな事をしたら陽が驚くのは目に見える。

たぶん、二人もそう考えて我慢してきたのだろう。

でもある拍子に、それを超える程の思いがきた。

だから、手を出した。

キスをして、自分の気持ちを言った。


……ヤバい。

本格的に、不味い。

このままでは、陽にやりそうだ。他の二人がしたように。

下手したら、それ以上に。


本来、我慢なんてする性格じゃない。

欲しいものは、手に入れる。

好きなものは、触れさせない。

その例外が、陽。

お気に入りに嫌われないために我慢してきた。


でも、もう限界だ。

きっと、なにかちょっとした事でもあれば、俺は……。


「はい、今日はここまで。宿題、ちゃんとしてくるように」

授業が、終わったらしい。

「日野くん、ちゃんと授業を受けなさいね」

最後に軽く指摘して、教師は出て行った。

「…架連、今日は全くやる気なかったね」

優夜が、話しかけてきた。

「ん?あぁ、ちょっと気分が乗らなかった」

「テスト、あと少しだよ?」

「平気。そんなの、いつも通りにすりゃ良い」

「まぁ、確かにそうか」
話しながら、思う。

本当に、スッキリした顔をしてるなって。

でも、それに反して俺は苛々が募るばかりだ。

架連は、気を紛らわせる為に教室から出た。



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