幼なじみ

□光が満ちるとき
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「俺が気にしすぎなのかも知れないけどね」

「そうなんだ」

「で?何か俺に用があったんじゃないの?」

最近、みんな様子が変だ。

人の事は言えないかもしれないけど。

「架連が、陽に告白したっていうのは本当?」

「…うん、本当」

「どうするんだ?」

「…て言われても」

良いとかダメとか、あんまりそんな事を考えられない。

頭が、そこまで回らない。

「延ばしても、多分答えは変わらないと思う」

「俺のってこと?」

「…そろそろね、決めて欲しいの」

優夜は、口調は優しい。

でも、避けられないのだと分かる。

「誰を決めても、俺らの関係は変わらない」

「本当?」

それは一番、陽が恐れていること。

この、幼馴染みの関係性が壊れることを、陽は怖がっている。

「だから、選んで?」

「心が傾いている程度でも、構わない」

「優夜、怜…」

「架連も、知っている」

さっき、何も言わなかったくせに。

しかも、自分が告白したせいかって心配もしてたくせに。

二人が来るのを分かってたから?

「じゃあ、またね陽」

「また、陽」

優夜と怜が、去った。


誰かを選ぶ。

そんな事を、俺がするなんて……。




陽が知恵熱を出して学校を休んだのは数日後だった。


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