幼なじみ

□光が満ちるとき
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「この時期に熱を出すなんて」

「良いじゃん、別に…」

頭が痛い。

自分でも情けない。

誰を選ぶかで悩んで、熱を出すなんて。

「よく休みなさいよ」

「分かってる……」

それから陽は、眠りに落ちた。



「友達が来たわよ」

……母さんの声。

「陽は起きたばかりだけど、ゆっくりしてね」

「ありがとうございます」


声がする。

この声が、聞きたかった。

あぁ、この人は俺の好きな人だ…。

虚ろな思考の中で、陽は妙にそう思った。





光の差す道
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