短編
□ホワイトクリスマス
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「あ〜。雪降らないかなぁ?」
24日。今日はクリスマスイブ。
小さい頃から憧れていたホワイトクリスマス。
今日が最後の登校日。明日からは冬休みだ。
「なんや、天音ちゃん。可愛いこと言うんやね。」
「可愛いことって・・・女の子ならみんな思うことなんじゃないかな?」
「そんなもんなんか?」
侑士は分からないと言うように景吾を見た。
「さぁな。他の女がどうかは知らねーが、天音は昔からよく言ってたからな。そうなんじゃねぇのか。」
そう言いながら、天音を手招きする。
天音は嬉しそうに景吾の隣に座ると、「そうなんだよね。景吾とは昔からクリスマスの日は一緒にいたからね。毎年言ってたよね(笑)」
うわーなつかしいな、と昔を懐かしんでいるようだった。
「・・・毎年?」
「うん!毎年だけど?」
「二人っきりで?」
「まぁ、ほとんどそんな感じかなっ」
「!!・・・・」
侑士が持っていた箸を落とした。
「そういや、人口の雪降らせたことあったよな」
未だにフリーズしたままの侑士に誰もツッコんではくれない。
「そんなこともあったね!!じゃあ帰るまでに雪が降らなかったらさぁ、人口の雪でもいいからホワイトクリスマスにしてよ!」
「あぁ、いいぜ。けど天音,人口の雪は夢が無いとか言ってなかったか?」
「うん。言った。でも外出るわけじゃないからどっちでもいいかって思っちゃたんだよねぇ。」
そして‘フフッっ’と笑う。