短編

□感謝
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パパへ
パパ。今日まで育ててくれてありがとう。

私は今日パパと同じくらい大切な人と幸せになります。

ママが私の物心付く前に亡くなってから、私を男手一つで育ててくれたパパ。
毎日朝の早くから私が寝た後夜遅くまで仕事してたよね。

使用人に任せればいいのにパパが“自分で面倒見る”って言ってくれたのおばぁさまに聞いたんだ。
その時は凄く嬉しかったなぁ……

パパが毎日欠かさずにママにその日の出来事を報告してたの知ってるよ。
偶然部屋の前を通った時に聞いちゃったんだ。
その時私は調度反抗期で、その日も門限無視して夜遅くに帰ってきてさ、もうみんな寝てると思ってたのにパパが一人で起きててビックリしたんだよ。
ママの遺影が置いてある部屋から明かりが灯ってて不思議に思ったから覗いちゃったんだ。
そしたらさ、パパが私のことを延々と話してて不覚にも泣いちゃた。

私に彼氏が出来たときもこうやってママに話し掛けてるの見てたんだよ。知ってる?


跡部家の長女として教育してくれたからなぁ……相手のご両親にご挨拶しに行ったときに“教育がしっかり成されてるんですね”って褒められたんだよ。
それ聞いたときパパが誇らしく思えて、パパの娘に生まれてよかったって思ったの。
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