長編

□第4話 再開
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二人の前に降りてきた天音に、神田が小さく舌打をし、アレンはまるで子犬のような目で見つめるという・・・なんとも対極の反応を示した。

「天音さん!!お久し・・ぶり・・・です?あれ。なんで黒の教団(ここ)にいるんですか!?」

「Hello♪ん〜、アレン君は何でだと思う。」

天音は片手で夢幻を掴み、これ以上攻撃を加えないようにし、自身の手から血を流しているのもお構いなしで爽やかにアレンと挨拶を交わしている。

今までもそうだったのか神田は別段気にすることもなく機会さえあれば、と未だにアレンに対する警戒を解いてない。

神田と天音。
両者の間には何やら得体の知れないどす黒い空気が流れている。

「もしかしなくても、天音さんはエクソシストですよね。」
「そ、エクソシストだよ。あの時はなぁぁんにも言わなかったけどね。」

にこやかにアレンと話している間心の中では
“あ〜ぁ。ユウもいい加減力抜いてくれないかなぁ・・・。またリナリーに怒られちゃうんだけどな”
と、思ってたのは内緒。

「クロスは私のこと言わなかったの?」
「えぇ。全くと言っていいほど。・・・あっ!彼氏がいなかったら俺の女にしてやったのに、とは」

アレンの口がどんどん重くなってきたのは、誰が聞いたって分かるだろう。

なぜなら
「・・・」
無言でにっこり。
誰がどう見たって完璧な作り笑い。
そして、その内に込められている怒りのボルテージが一気に上がっていく様を間近で見せ付けられれば誰だって自分が言ったことではないにしろ口を開くのが億劫になるだろう。

神田にいたっては、天音に彼氏がいたのかとビックリ。

ソレを見て、天音は笑みを濃くしていく。
比例して夢幻を握る力も強くなってきていたのか、先ほどよりも滴る血の量が多くなっている。
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