長編
□第5話 スタート地点
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リナリーに連れられ教団内を移動する。
その時一緒におおまかな案内をしてもらった。
周りの人達にいろいろ言われているようだが、正直なところ僕は久しぶりに再会した天音さんの方が気になっていた。
「アレン君聞いてる?」
「・・・はい!?」
話をほとんど聞いてなかった僕に気が付いたんだろう。
呆れたようにため息をついた。
しかし、何か思いあたったらしくにっこり笑って“大丈夫”と言ってくれた。
その時僕はリナリーの笑顔に癒されたような、味わったことのない何とも言い難い感覚に襲われ、またしてもリナリーにため息をつかしてしまった。
「今から兄さん・・・室長のところに行くからね。」
「室・・・長・・・」
階段を下りていくとベレー帽のような帽子をかぶった長身の男性がカップを持ちながらたっていた。
「あの人がそうなんですか?」
「うん。一応ここで一番偉いのよ。」
醸し出す雰囲気はどこにでもいそうな優しそうなものだった。
「はい、どーもぉ。科学班室長のコムイ・リーです!」
前言撤回。
この人がトップなんてふざけてるとしか思えないくらい、軽いノリの人だ。