ボカロ。2

□箱庭の少女
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この部屋の中には あなたと私だけ
二人で唄を 歌い続けましょう
外の世界なんて 知らなくていい
あなたが それを望むなら

私はあなたを「父」と呼び
あなたは私を「娘」と呼んだ
歩けぬ私を気遣うあなた
部屋を美しいもので 埋め尽くしてくれた

赤いグラスに
青のスプーン
黄色い枠の 二対の鏡

この部屋の中には あなたと私だけ
二人で唄を 歌い続けましょう
外の世界なんて 知らなくていい
あなたが それを望むなら

暗い寝室と窓の景色
それが私にとって世界の全て
あなたはいつでもやさしいけれど
外の世界のことは教えてくれない

部屋の小物達 私を笑う
「僕等と君は似た者同士」

るりらるりらと私は歌うの
外の世界には
聞こえないように

あなたのためだけに歌ってあげる
私がそれを望むから

あなたの口から聞いた
《戦争》という言葉
どうしてお部屋が燃えているの?

燃え尽きた屋敷から見つかったのは
孤独な男の亡骸と
焼け焦げた 
ぜんまい仕掛けの人形

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