ボカロ。

□鎌を持てない死神の話
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黒服が街を往く
消え逝く者を捜して
退屈な気分 誤魔化すための時間

死神が街を逝く
消え逝く者を捜して
見つけたのは可愛らしい伯爵の娘

病に倒れて医者に告げられた「手遅れ」
嘆く伯爵たち
ただ一人冷静に娘は言った
「じゃあ殺して」

きっと貴女も私と同じ
孤独で悲しい存在
死神でよろしければ
友となって差し上げましょう

黒服が街を往く
白い娘を連れて
残された時は幸せ満ちた時間?

死神が街を往く
白い娘を連れて
見つけたのは可愛らしい銀の首飾り

弱っていく身体 期限が近いと悟った
気遣う大人たち
ただ一人強がって娘は言った
「大丈夫」と

死神が誰かを愛しても
最後は悲しい結末
朽ちないこの身が憎い
貴女と共に星になりたい

きっと貴方も私と同じ
孤独で悲しい存在
でも貴方と過ごせたから
私は幸せになれたの

その時を迎えた娘は
晴れやかに笑っていた
死神が貴女の記憶
永久に守って差し上げましょう

寂しくない

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