夢小説 1

□水も滴るいい男
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斎藤グループが経営しているうちのひとつ。
ここは、フィットネスクラブ。
週に二回程、朝、社長は会社に直行せず、こちらに寄って汗を流してから、会社に行く。
なので、秘書の私も、社長と共に週に二回は、ここへ足を運ぶ。

今日は、社長はプールで泳いでいる。
あたしはプールサイドで、今日のスケジュールの確認を。
…なんだけど、社長が気になって、気づかれないように、チラチラと社長を盗み見たりしてる。
社長に恋心なんて、いけないのはわかっているけど、好きになってしまったんだもの、仕方ないよね。

セットした時計がピピッとなり、ハッとして社長の元に行く。

「すみません、社長。あと30分程でお時間になります」
『わかった』

そう言って、プールから上がる社長。
普段のスーツからはわかりづらい、綺麗に筋肉のついた身体。
濡れた髪。
その髪から、落ちる水。

見慣れない社長の水着姿に、私は1人でドキドキしてる。
どこを見ていいのか わからなくて、社長を直視できない。
間違いなく、私は今、真っ赤な顔をしているはず。
社長に気づかれたくなくて、私はクルッと回れ右をした。
えっ!?
その時私は、水で濡れているプールサイドで滑ってしまった。
次の瞬間、私の視界には社長の胸。
社長の濡れている髪から落ちる水が、私の頬を滑る。
滑った私を、抱き止めてくれた社長。

どうしよう。
ドキドキが、止まらない。何か言わなくちゃ。
なのに、頭が回らなくて、言葉は出てこないし、身体も動かない。
チラッと社長を見たら、相変わらず冷静な社長。
当たり前だよね。
ドキドキしているのは、私が社長を好きだからなだけで、いくらこんな至近距離でも、社長にしたら何でもない事。
滑った秘書を、抱き止めた。
ただ、それだけの事。

本当の事を、自分で認識して、なぜか落ち込んでしまった。

でも、ちょっと待って。
落ち込んでる場合じゃない。
今、自分の現状にハッとし、社長に言う。

「社長、すみません」

『いや。…それより、大丈夫か?』

「はい、社長のおかげで大丈夫です。ありがとうございました」

こうして、お礼を言っている間も、私の鼓動は煩いままで。
ん、私の鼓動!?
違う、これは社長の鼓動。
抱き止められた私の右頬・右耳は、社長の胸にピッタリとくっついて、その右耳から煩い程の鼓動が聞こえてくる。
その鼓動を耳にしながら、なんだか私は、嬉しくなった。


―終わり―



【後書き】
ちー様に引き続き、斎藤さんの口調が微妙で、すみません m(__)m
斎藤さんも、難しいですね。
斎藤さんのお話を書こうと思ったものの、なかなかお話がまとまらず、苦労しました(苦笑)

最後迄読んでいただき、ありがとうございました。

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