夢小説 12

□ドキドキ
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休日、左之助さんの部屋。

『アイス、ついてるぞ』

アイスを食べている私にそう言うと、左之助さんの手が伸び、私の頬を 人差し指で軽く拭って、その指をペロリと舐める左之助さん。
左之助さんの行動に、思わず顔が熱くなったけど、それを悟られないように、平気な顔をする。
なのに

『顔、赤いぞ』

ニヤリと言う左之助さん。


悔しいなぁ。
左之助さんには、何でもお見通しなのかな。


思いながら

「赤くないです」

否定する。

『なぁに、拗ねてんだ?』

私の顔を覗きこんで、聞く。

「だから、拗ねてませんって」

『そうか?俺には拗ねてるように、見えたんだけどな。じゃあ、俺の思い違いだ。すまなかったな』

優しく言って、小さい子をあやすように、私の頭を優しく撫でてくれる。


そこで そんなふうに言うのって、反則です。


「だって…」

『ん?』

「だって…、私ばっかりドキドキして。左之助さんは、いつも余裕で」

『そうじゃねぇって』

その言葉と同時に引き寄せられ、私は左之助さんの胸の中。

トクトク トクトク…。

早い、左之助さんの心臓の音。
こんなにトクトクと早い。


そのまま、黙って 左之助さんの心臓の音を聞いていると

『ドキドキしてんのが自分だけじゃねぇって、わかったか?』

上から降ってきた、左之助さんの言葉。


はい、左之助さん。
左之助さんもドキドキしてくれていて、嬉しいです。
このドキドキが、いつまでも続きますように。
いつまでも、左之助さんにドキドキしてもらえる自分でいられますように。

―終り―

【後書き】
Web拍手にUPしていたお話ですが、新しいお話をWeb拍手にUPしたので、こちらに移動しました。

最後迄読んでいただき、ありがとうございました。

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