短編
□出逢い
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「全く、俺に選択権は無いんすかね。まあここまできたら仕方ねぇか。さっさと終わらせましょうか」
刀を左之さんって人に預けてから、手合いの場所に向かった。
着くと竹刀を投げられる。
「一本勝負ね。審判は斎藤くんに任せても良いかな」
すると斎藤さんが頷いて、こちらに向かってくる。
「ちっこいな―。まだガキじゃん」
…腹立つが、外野は無視だ。
「先に名前を聞いても良いかな」
「…琉川愛紅」
「そう。僕は沖田総司」
自己紹介を終えると、互いに構えた。
「それでは、始め!」
ダッ
始まりの合図と共に、俺は沖田さんの間合いに入り込み腹に一撃付きを入れようとする。
しかしそれは簡単に止められた。
「ちっ」
「速いね、君。力もある程度あるけど…!」
「!」
「そんなんじゃ僕には勝てないよ?」
俺は押し負けをし、突き飛ばされそうになるのを何とか堪えた。
…強えー。