短編
□握り飯
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これは僕らがまだ試衛館で生活をしていた頃。
もうすぐ昼時って時に、僕はあることを思った。
そういえば愛紅の手料理って食べたことないなと。
何時も刀を振ってばかり。
僕が見る愛紅といえば、稽古をするか食事を取るか寝てるかって感じだな。
良い心掛けだと思うけど少しぐらい、と思う訳なんだよ僕は。
だから僕は行動を開始した。
稽古後直ぐに愛紅の手を問答無用といった感じで引っ張り、ある場所へと連れて行く。
「お、沖田!?お前何をす…痛いっての!!!」
ぎゃあぎゃあ五月蝿いな―。
二つしか年離れてないのにさ。
騒がれながらもちゃんと着けた。
炊事場に。
「つねさん、少し良い?」
「あら、総司くんに愛紅ちゃん。二人が此処に来るなんて珍しいわね」
つねさんとは近藤さんの奥さんだ。
掃除、炊事、洗濯を全てしてもらってる。
偶に一くんや愛紅も炊事以外は手伝う。