短編
□お風呂嫌い
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「ふぅ〜。気持ち良かったぜ」
「愛紅、おじさんみたいだよ」
「うるせぇな―。ほっとけ」
稽古を終え、よく汗をかいてた俺は風呂に入っていた。
今はもう上がり、部屋に戻る所。
ちなみに沖田が居る理由は、俺の性別の関係上、一応見張りをしてもらっていたからだ。
もし鉢合わせしてしまったらと思うとゾッとするからな。
「それにしても可笑しいな―」
「どうした?沖田」
「普通女の子の風呂上がりって、髪も濡れてるから色気があるはずなのに、愛紅にはそれがな…」
「死ぬ覚悟は出来ているか?この変態が」
此処に刀があればなと呟くと、嫌だな―可愛い冗談じゃないかと言う。
可愛くないわ!!
「今俺は男だから色気なんかいらねぇの」
「いやいや。男でも色気がある人はいるよ。例えば左之さんとか」
「あ―、確かにな」
確かに彼は本当色気が凄い。
でも別にあんなんになりたくないからどうでも良い。
「まあそれは良いとして。見張りありがとな。お前も風呂入れよ」
「ああ。そうさせてもらおうかな」
そう言って風呂の間に入ろうとする沖田。
そんな奴を見て少し思った。