キセキノウタ
□第7話:入部希望!?
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「んで、お前等は軽音部なんだ?」
「おう、あと2人で廃部を免れるんだけど……。恭に修、それにカナもどうだ?」
昼休みに纏まって弁当を広げながら、律は恭弥と修司、そして奏太に声をかけたが
「田井中が部長かぁ……」
「な、なんか不安があ、あるなぁ……」
「どういう意味だよっ!」
「長津田か秋山さんが部長なら考えたがな」
修司と奏太がわざとらしく苦笑いを浮かべ、恭弥が留めを刺す。
「わっ、わたしは部長なんて、ムリムリムリっ!」
「あ、いや本気で言った訳じゃないし」
慌てたように否定する澪をみて、恭弥は苦笑いを浮かべて言う。
「あ、そう言えばたっつんは、部活どうすんだ?」
律達が纏まって居たため、自然と巻き込まれる形になっていた龍聖は、チラリ、と律をみやると
『ヒマがないし、音楽系はやりたくないね』
「……え?」
龍聖のセリフに、健や恭弥、そして修司が驚いた表情を見せた。
『音楽系はやりたくないって……』
『軽音部が廃部寸前なのは知っている。だからと言って、間に合わせで入部させられるのはゴメンだ』
「うっ!? 言ってる事は良く判んないけど、見抜かれてる気がするのは何故だっ!?」
「……龍聖は、間に合わせで入部させられるのはイヤだってさ」
と、修司が通訳した。流石に食事中に辞書は捲れないからな、と澪は苦笑いを浮かべる。
「てか律は、間に合わせで勧誘するつもりだったんだな……」
「悪いかっ!」
「悪いわっ!」
ゴツンッ!×2
「はうっ」
「まったく……」
『ん? 龍聖、何処に行くんだ?』
ガタ、と立ち上がった龍聖を見上げて、修司が声を掛けると
『教える義理はないと思うが?』
そう言い放って教室を出て行った。
第7話:入部希望!?
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