キセキノウタ

□第6話:廃部!?
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 さて。



 波乱含みではあったが、何とか1時限目の英語の授業を終えた2組。



 教師陣が教室を出た後、松宮中と梅原中出身の女子達が龍聖の下へ行き、何事かを話しかけていた。



「ナルホド、確かに面白いかもな」



 そんな龍聖を眺めながら、健がポツリと呟けば



「うん、確かに。これなら楽しく勉強出来そう」



 と、澪も同意した。



「まぁ慣れるのに時間かかるけど、慣れちまえば結構楽しいぜ」



 恭弥のセリフに、修司はうんうん頷いた。



「あ、アルバラート君、最後まで、ち、ちゃんと聞いてくれた……」

「あぁ、カナは吃音があるから、発表とか苦手か」

「う、うん……、苦痛、かな? 殆どのせ、先生は、さ、最後まで聞いてく、くれないから……」



 律が思い出した様に奏太に問えば、奏太はコクリ、と頷いてボソリ、と言う。



「で、でもそれは、みんなにも言えるよ」

「俺達?」

「う、うん。こうしてぼ、僕の話をちゃんとき、聞いてくれるから」



 奏太の言葉にキョトンとした表情をみせる澪達に、奏太は頷いてから話を続けた。



「そんなの当たり前だろ? なぁ?」

「そうそう。気にすんなって」

「うんっ」



 修司と恭弥が奏太の肩にポン、と手を置いて言えば、奏太もはにかみながら答えた。



「あ、西九条さん、さっきはありがとう、助かったよ」

「良いわよ、秋山さん。
ところで藤君、やっぱ茶道部続けるの?」



 そこへ龍聖の下から戻ってきた西九条に、澪は改めて礼を言えば、大袈裟よとケラケラ笑いながら言った。



 そして思い出したかの様に、修司に部活をどうするのか尋ねた。



「どうかな? 取り敢えず見学は行くつもりだけどね。美波さんは?」

「もう入部届出したわよ、茶道部に」

「早いな……」

「入学式はともかく、始業式からクラブ見学は解禁だし、中学で活躍してた子なんて、部長自ら勧誘に来てたわよ?」



 同じ中学で同じクラブだったらしく、西九条と修司は部活についての話をしている。



「部活かぁ」



 恭弥がポツリと呟いた。



「恭弥はバスケ部か?」

「いや、高校じゃ別の事をやりたいなって」



 その呟きを耳にした健は、何気なく恭弥に尋ねると、バスケじゃなくて他の部に、と恭弥は答える。



 それぞれが部活についてあれこれ思考している内に、次の授業を知らせるチャイムが鳴り響いたのだった。










    第6話:廃部!?










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