キセキノウタ
□第15話:合宿!〜 海水浴を楽しもう 〜
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「……おまえ等は学習能力がないのかぁっ!」
「ごめんなさあぁいっ!」
「……もうヤだ、この二人……」
律と恭弥が雷を落とし、唯と裕樹が平身低頭、澪はムギに泣きついてそれを困った顔をしながらムギが慰めている。
この二人、期末テストでもやらかしたのだ。
「1週間の補習授業って……。合宿どうすんだよ……」
「そ、それは日を改めて……」
「出来る訳ゃねェだろうよい。別荘だって無理して都合つけて貰ったんだぞ?」
怒りを通り越して呆れ返った健は、唯と裕樹に尋ねる。
「それに奏太だって全国大会に向けての剣道部の合宿だって控えてるし、修司だって生徒会あるし、龍聖はイギリスに帰るだろうし……。みんなそれぞれ合宿後のスケジュール決まってんだぞ?」
「……すまん(ごめんなさい)……」
流石に悪いと感じているのか、二人は黙って叱られている。
「り、りっちゃんいる……?」
「あり? どうした?」
そこへひょっこりと奏太が顔を覗かせた。確か剣道部はまだ部活中の筈、と首を捻りながら律が声を掛けた。
「あ、あのに、西中島先生と堀込先生から伝言で」
「『明日数学と古文の追試を受けて貰う事と、合宿から戻った翌日から2週間、補習授業を休まず受けて貰うからな』だってよ。感謝しろよ?」
ヒョッと奏太の背後から修司が顔を出して、西中島と堀込の伝言を伝える。
「あ、勿論その間の軽音部の部活動は禁止、だと」
「そうか、部活動は禁……っ!? なんだってえぇっ!?」
軽音部の部活動禁止、と聞いて、律達は目玉が飛び出しそうな勢いで驚いた。
それは補講処分を受けた唯と裕樹も同様で。
「ちょ、なんでそんな事に……っ!?」
「うん、まぁ堀込先生曰わく、連帯責任だと。で、これは平沢さんや東三国に限った事じゃないが、2学期以降のテストで1人でも追試対象者が出た場合、強制退部。だだ軽音部に於いては即廃部、だって……」
「……マジか……?」
誰が呟いたのか。告げられた話は余りにもショックで、しかしながら事実なのだ。
誰も二の句がつ……。
「……あれ? でも数学と古文? 私、数学と英語が追試対象なんだけど……」
「……俺はそれプラス古文……」
「そ、その英語についてなんだけど、み、南方先生によるい、一部生徒の解答を改ざんしてたし、証拠が見つかったらしくて、今回3組の英語の最低点数はぜ、全員50点をにするって……」
「……良く判ったな……」
「ま、真鍋さんがね? 自分の字なのにな、なんか違和感感じたらしくて……」
「で、偶々龍聖の事で学校に来てた秋山さんのお父さんが、筆跡鑑定してみたら……」
「……ナルホド……」
奏太と修司は事のあらましを説明した。
その和をはじめ、解答を改ざんされていた生徒は、みな龍聖に放課後の図書室で『勉強会』という名目の補習を受けていた。
人数的にはクラスの半分。
「まぁ英語についてはそう言う経緯があるから、今回英語については不問となった訳」
「……何時かはやるんじゃないかって危惧してたけど、とにかく!今は明日の追試に向けて、また勉強会だ!」
長々と話をしていたが、そんな場合ではないのだ。
「長津田、恭弥っ!頼むっ!家で泊まり込みで勉強教えてくれっ!」
「澪ちゃんっ!私もっ!」
と、裕樹と唯はそれぞれ頼れる3人に土下座した。
「……まぁ家は今日、2人とも居ないからいいけど……」
「……仕方ねェ。部の存続の為だ……」
「だな……」
斯くして澪は唯の、健と恭弥は裕樹の家に泊まり込んで追試対策を行う事になったのだった……。
第15話:合宿!
〜 海水浴を楽しもう 〜
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