BBS劇場

□δ
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「澪はやれば出来る子(和限定)」(和→澪)




生徒会室。

律に無理やりメイド服を着せられて連れてこられて置き去りにされた。

嘆願書を通してきてね☆澪はやれば出来る子だから♪っていわれて。

一体……どういう事なの。
目の前には和が腕組みしながらこっちを見ていた。



「ふむ」

「なによぅ……」



和の爪先から頭のてっぺんまで検分するような視線を全身に浴びながら、びくびく聞き返す。



「澪は何着ても可愛いわね」

「な、なに言ってるんだっそ……っそんな事言ったって何も出ないんだからねっ」

「出るって?肌とか?」

「うわああぁあーー!無いからーーー!!」



その言葉のあまりの恥ずかしさに取り乱す。

出ないし。出さないし。

そんな事を思っていると、スッと和が近付いてきて視線を合わせながら私の顎に手を添えてくる。

……キスされる!

思わず目を閉じて首をすくめれば、くすくすと和の笑い声が耳をくすぐった。
澪って可愛い、なんて囁き付きで。

もうそれだけで頭からプシューなんて音付で湯気が立ちそうで。
薄目を開けれ和の顔が意外な程近くでさらにどぎまぎした。



「あら残念ね。てっきり澪が賄賂かと」

「ちょ!!」

「でも違ったみたいね」

「和〜」



もう無理だ。

和の言葉と行動があまりにも羞恥心を掻きたてて頭が沸騰しそうだった。
そんな私をよそに和は普段通りの冷静な顔を取り戻して、くるりと机に向き直った。
そして机に置かれたけいおん部の嘆願書をぺらりと手に取り、その紙と私を交互に見ながら和はまた「ふむ」と言った。



「分かった、って律に言っておいて」

「え?」

「OKって事。じゃあね、澪。私は仕事があるから」

「う、うん」



なんで嘆願書が通ったんだろう。
えーと私のおかげって事でいいのかな?
なんとなく腑に落ちないものを感じながら生徒会室を出ようとドアノブに手を掛けると。



「またその格好で来るといいわ」

「……!もう着ないから!!」



瞬間湯沸かし器と化した私は和の言葉に反射的に大声で答えてバァンッとドアを閉めた。

もう着ないから。
絶対……絶対!!
そう心に固く誓った……のだが。



その後結局けいおん部の嘆願書の為に何度か着る事になるのを、まだ澪は知らない。知らぬが仏。










END

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