BBS劇場
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「ごちそうさまでしたー!」
「はい。どういたしまして。……あ、唯先輩。口許に」
「ん?」
口許に何か付いていたらしく、あずにゃんがハンカチで拭きとってくれた。
うわあ。まるで私って子供みたいだ。
ちょっと恥ずかしくなって、おばあちゃんのマネをしてみる。
「いつもすまないねぇ、あずにゃん。私がこんな体なばっかりに」
よろよろと手を震わせながらそう言えば、あずにゃんはにこにこ笑顔で「いえいえ」と言った。
「ふふ、唯先輩がリンゴ食べてる所可愛いかったです」
「ふぇ?」
「なんかほっぺたを丸くしてもぐもぐしてるから。んー、ハムスターかリスみたいな感じでしょうか」
あずにゃんの中で私は子供から小動物までおちてしまったらしい。
一応まがりなりにも私はあずにゃんの年上で先輩で。
なのにMY株、只今大暴落中。
これはいかん、と慌てた。
「私はあずにゃんにとってリスと同じなのかい……」
出来るだけ可哀想に見える声色を使ってあずにゃんに上目遣いで訴えた。
先輩なんだよう。年上なんだよう。リスと同類はヤダよう、という感じで。
そうしたら何故かあずにゃんが頬を赤く染めて、逆に慌てだした。
「そ、そんな事は……っ唯先輩は私にとって……大事な―――」
「あー良かった。あずにゃんにとって大事な先輩のままで」
「……そうですね」
急に肩を落としたあずにゃん。
どうしたのかなー?なにか私ヘンな事言ったのかなー?何があったんですカー?
少し俯いてしまったあずにゃんに声を掛けようとした時。
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
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