地下劇場

□3
1ページ/2ページ

『猫耳狂想曲!?』





「……澪、澪…」

「…え?ど、どこ…!?」

「こっちよ…」



ある日学校へ行く途中、誰かに名前を呼ばれた



聞いたことある声に、周りを見渡せば



「……の、和…!?」



帽子を被った和が物影から手招きをしていた



「ど、どうしたんだ?」



和のところへ行くと、和は辺りを見回して



「ちょっと来て…」

「え?」



和に手を引かれ、学校から少し離れた公園にやってきた



「の、和?」



和は公園のブランコに座って、どこか困ってる様子で



「…あのね…驚かないでね…?」

「…うん…」



私を見上げて、ゆっくりとした動作で帽子を取った










………え?










「えぇええええ!?」

「…そうよね…驚かないでって言うほうが無理よね…」



はぁ…とため息を零す和…



そりゃ驚くよっ!!



だって……っ



「猫耳!?」

「朝起きたらすでに生えてたの…」



和はクイクイと猫耳に触る



「ほ、本物なの…?」

「えぇ、引っ張ったら痛かったわ…」



恐る恐る和の猫耳に触ってみると



「柔らかい…」



フワフワ柔らかかった



「尻尾もあるわよ?」

「え?ひゃあっ」



いきなり、フワフワしたものに喉を撫でられた



「し、尻尾…っ」

「えぇ…」



手の平を出せば、フワフワな尻尾の先で突かれた



可愛い…



「ぁ…和…目も…」



よくよく見ると、和の目も猫の目になってて



「本当?目は気づかなかったわ…」



和は手鏡で確かめて、本当ね…と小さく零した



何度も角度を変えて確かめてて



…なんか困ってる感じで…



か、可愛い…っ



「澪?どうしたの?」

「あ…いや…な、何でも…」



和はきょとんとした顔をして首を傾げた



「で、でもずっとここにいるわけにはいかないよな…」

「そうね…」



うーむ…



「あ」

「え?」



そうだ



今日、ママとパパ旅行に行ってていないんだ



「と、とりあえず私の家に行こう。今日ママ…お母さんたちいないから…」

「…なんか巻き込んじゃってごめんなさいね…」



シュンと肩を落とし、耳を垂れる和が何かもうヤバいくらい可愛い…っ



「い、いいって…!」

「ありがとう…。唯に休むことをメールしておくわ…」

「私も律にしておくか」



ということで…



猫になっちゃった和と、私の家に向かった…










.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ