近妙小説

□女の子だって色々したい
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「お、お妙さん!まずいですって!誰か来たら、どうするんです?」

近藤は小声で妙に囁く。

だが、妙はうるんだ瞳で近藤を見上げてふるふると首を横に振る。


そんな顔されたらぁぁああ!もう我慢できなくなっちゃうじゃん!
俺もね、男なんだよ!?お妙さん、分かってるのかなぁ?
高校生の男子なんていったらさぁ、それこそ、ゴリラと一緒なんだからね!

近藤は心の中で叫びまくる。


今は体育の授業中である。

だが、近藤と妙は二人、授業を抜け出して、薄暗い体育倉庫にいた。

ことの発端はこうである。

いつものように沖田と神楽のバトル(今回は野球対決だった)が勃発し、神楽の剛速球を沖田が大きく打ちあげ、それが校庭の隅に飛んで行ってしまったので、近藤が探しに行った。

ボールを探していると、いつの間についてきたのか、後ろにブルマに白い半そで姿の妙がいた。
太ももの白さが近藤にはまぶしい。

「そこのゴリラ、ちょっと来なさい。」

「お妙さん!? びっくりしましたよ!いつの間にいたんです?」
近藤が、そう言って近づくと、妙が近藤の手を握った。

「え?ちょっと?」

「黙ってついてきてください!」

妙が近藤の腕をねじる。
「いだだだ!わ、分かりました。でも、どこへ?まさか授業抜け出してデェトですかぁ?なんて。あはは。」

「黙れってだろうがぁぁああ!殺されて―のか!この破廉恥ゴリラがぁぁああ!!」

だが、妙の顔は見る間に真っ赤になった。


そして、近藤は妙に引きずられるようにしてこの体育倉庫にやってきた。

「本当にどうしたんです?」
近藤は心配そうに妙に聞く。
なにかあったのだろうか?
ここのところ、剣道の大会が近く、部活で忙しいせいで妙とあまり話せていない。

妙は真っ赤になってうつむいたままだ。

「俺はお妙さんが何を言っても笑いませんから、俺に出来ることならなんでもしますから。」

近藤は妙のことをマットの上に座らせ、自分も隣に座る。
少し考えて、妙の体に触れないギリギリの距離で座った。

妙が重い口を開く。
「最近ずっと苦しいんです。」

「え?お妙さん??それって病気とか?す、すぐ病院行きましょう!!」

思わず立ち上がりかける近藤を妙は無言で殴りつける。

「病気じゃありません!なんだか、最近、近藤さんを見ると胸がざわざわして苦しいんです。それで、一緒にいるともっと一緒にいたくなって、近藤さんがいないと何もやる気が起きなくて、それに、それに・・・」
妙は早口で一気にしゃべりたてる。

「お妙さん?」
近藤は自分の顔が赤くなる音が聞こえたような気がした。自然と顔がにやけてしまう。
どうしちまったんだ? 今日のお妙さんは?
こんな可愛いことを言うなんて。俺のことをこんなに思っていてくれてたなんて。
本当に病気なんじゃないだろうか?

「それに、もっと・・・」

妙は顔をあげて近藤を見つめた。
近藤は慌てて顔をひきしめる。

近藤が気づいた時には柔らかいものが唇に触れていた。

お妙さんからチューされてるぅぅぅ!!!!

初めて口づけをしてから、何度かしていたが、それは全て近藤からだった。

近藤が硬直している間に妙は離れて、近藤から目をそらして小声で言う。

「こういうことしたいって思っちゃうんです。」

妙が近藤の肩に頭を乗っけてくる。
ポニーテールがさらりと揺れて、甘い香りがかおる。

ちょ、お妙さん、それ反則ぅぅうう!

近藤の自制心が傾きかける。

「お、お妙さん!まずいですって!誰か来たら、どうするんです?」

近藤は小声で妙に囁く。




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