他話

□大臣エドC
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ベッドに猫が潜り込んだようです。
だいぶ寒くなってきましたからね。
ぬくもりが欲しいのでしょう。
すりすりと、気持ち良さそうに擦り寄ってきます。

私は夢うつつで、心地良い感触を味わいます。
ああ・・・それにしても大きな猫ですね。
動くたびに、ベッドがギシリと軋みます。
しかも金色の毛並みとは珍しい。
青いリボンがよく似合っています。
・・・リボン・・・?

「・・・大臣」
猫が私を呼びました。
・・・・・。
あの・・・。
喋る猫なんて聞いた事ありませんが・・・。


「・・・・・陛下、何をしておられるのですか・・・」
なぜエドガー様が私の隣にいるのでしょう。
一体いつの間に潜り込んだのですか・・・。
「だって寝れないんだもん・・・」
エドガー様が甘えるように抱き付いてきます。
だからといって、私の所に来る事はないでしょう。
ようやく眠りかけていたところだったのに、完全に目が覚めてしまいました。

「一緒に、寝てもいい・・・?」
エドガー様が遠慮がちな声で、上目遣いをしてきます。
「・・・陛下・・・」
そんな事を言われても困ります。
国王様ともあろう者が、このような場所でご就寝なさるなど。
「・・・ねえ、いいでしょ?」
すがるような目で見ないでください。
そんなにべったり引っ付かないでください。

「・・・困った王様ですね・・・」
私は心の中で、ため息をひとつ。
やれやれ・・・。
この王様は、相変わらず甘え上手ですね。
私が断れないのを知っていて、そういう顔をするのですから。
・・・仕方がありません。
今夜は、わがままな王様にお付き合いいたしましょう。

「では陛下が眠るまで、こうしていてあげますよ」
私は小さく苦笑しながらも、エドガー様の頭を抱き寄せます。
「ん・・・」
優しく髪を撫でてやると、気持ち良さそうに胸に顔を埋めてきます。
可愛らしい。
本当に猫みたいですね。
気高くて駄々っ子で、随分甘えん坊な猫ですけど。

「・・・・・」
おとなしく私の腕に収まっていたエドガー様が、ふと気付いたように顔を上げます。
どうしたのでしょうか。
また何かオネダリでしょうか。
「大臣、おやすみのキスは?」

「・・・・・」
当たり前のように、口付けをせがまれてしまいました。
エドガー様・・・いくらなんでも甘えすぎです。
そんな風に可愛くせがまれたら、私だって理性が保てなくなりますよ?

・・・ああ、いけません。
またエドガー様の罠にはまるところでした。
たぶんエドガー様は、私を誘っているのでしょう。
ご自分の欲望に正直な御方ですから。
しかし、今日はそう簡単には乗りませんよ。
そうですねえ・・・どうせなら、少し苛めてみるのも面白いかもしれません。

私はしばし逡巡したあと、額に唇を寄せます。
わがままな王様には、これくらいで充分です。
私をたぶらかそうとした罰です。

目の前に、エドガー様の拗ねた表情。
「・・・・・」
やはり不満そうですね。
こんなキスで満足するような貴方ではないですからね。
そこまでむくれた顔をしないでください。
ちょっと意地悪をしただけではないですか。

今度は頬を軽く押さえ、唇に触れるだけのキス。
「・・・ん、」
唇が少し重なっただけですが、正真正銘のキスです。
これならエドガー様も、文句はないですよね。
貴方のお望み通りのキスです。
さて、おやすみのキスも済んだ事ですし、そろそろ寝ましょうね。

「・・・・・」
エドガー様の顔が、さらに不機嫌になっています。
何がそんなにご不満なのでしょうか。
「・・・もっと・・・」
エドガー様がいじけた声で、さらにキスの催促をします。
これでもまだ足りないというのですか・・・。
本当にわがままな王様ですね・・・。

私は少しだけ上体を起こすと、エドガー様の顔を両手で包み込みます。
そして焦らすように親指で唇をなぞり、そのまま静かに唇を合わせました。
「んっ・・・」
甘すぎる唇に、危うく思考がとろけそうになります。
私はゆっくりと舌を差し込んで、中を掻き回してやります。
「・・・ん、・・・んんっ、」
エドガー様が可愛いを洩らしながら、嬉しそうに舌を絡めてきました。
貴方はこのキスが欲しかったのですね。
恋人同士のような、互いを求め合うキスが。

一旦唇を離し、軽く表面を啄ばんであげます。
「はあっ・・・、んっ、あ・・・、」
エドガー様の頬が、朱に染まり始めました。
たったこれだけのキスで、感じてしまっているようです。
私のシャツを掴んでいた手が、僅かに震えています。

「あっ・・・、んっ、・・・だいっ、じ・・・、んっ・・・」
口付けを交わしながら、エドガー様が舌ったらずな声で私を呼びます。
まだまだ足りないと、訴えかける瞳。
私はそれに応えるように、ときおり深く舌を潜り込ませます。
「んっ、ぅ・・・、んっ、んっ・・・、」
目元が潤んできました。
呼吸も乱れてきています。
これでは完全に、キスだけで終わりそうにありませんね・・・。

「・・・陛下・・・、ご満足、いただけましたか・・・?」
私は濡れた唇を啄ばみながら、髪を掻き上げてやります。
こめかみにうっすらと汗が滲み、エドガー様が興奮している様子が伝わってきます。
「ん、はあっ・・・、だめっ・・・、もっと・・・」
エドガー様が上気した顔で、自ら舌を突き出してきます。

ああエドガー様・・・。
そんなに私を煽らないでください。
色っぽい目で誘惑しないでください。
私の理性は限界です。
高められた欲情は、もう止められそうにありません。

私はその淫らな舌を舐め上げ、エドガー様の下肢に手を這わせます。
「・・・ひっ、ああああっ!」
その途端、ビクッと腰が跳ね上がりました。
衣服の上から、軽く中心を撫でただけだというのに。
一体どうした事でしょう。
エドガー様が、ここまで反応なさるなど。

「ひっ・・・!あっ、あっ・・・!」
改めて下肢に触れてみると、エドガー様のそこはありえないぐらいに勃起していました。
膨張しすぎたそこは遠慮なく上を向き、恥ずかしいほどにズボンの前を押し上げてしまっています。
ああ、なんて卑猥な光景なのでしょうか。
そのエドガー様の淫らな有り様に、どうしても私の顔は緩んでしまいます。

「陛下・・・、キスだけで・・・、こんなにしてしまったのですか?」
私はエドガー様の唇を舐めながら、布越しに前をまさぐり始めます。
「んっ、や・・・、やんっ、やだっ・・・!」
エドガー様が咄嗟に顔を背けてしまいます。
だめですよ陛下。
それではキスが出来なくなるでしょう?
貴方の方から仕掛けたのですから、ちゃんと最後まで責任を取ってくださいね。

私は無理矢理にエドガー様の顔をこちらに向かせ、唾液で濡れた唇を啄ばみます。
「私に、厭らしい事をされるのを期待して・・・、こんなに、勃起させてしまったのですか?」
衣服ごと前を扱いてあげると、中からくちゅくちゅと濡れた音が聞こえてきます。
「あんっ、あっ、あ、ちがっ、ちがっ・・・!」
エドガー様が泣きそうな顔で、大きく身体を悶えさせます。
「違わないでしょう?」
もうこんなに濡らしてしまって、はしたないおちんちんですね。

「ひゃんんっ!!」
先端を撫で付けてみると、ビクンッと腰が跳ね上がります。
さすがにこの反応は、異常すぎではないでしょうか。
本当にキスだけで、ここまで乱れてしまうなんて。

「可愛いですよ、陛下」
口の中をゆるりと犯しながら、勃起したそこを擦り上げます。
「や、んんっ・・・、やんっ、やんんっ!だめっだめっ・・・!」
エドガー様が私の手を押さえつけて、必死に抵抗してきます。
「だめではないでしょう?」
ズボンの上からでも分かるくらい、ビショビショになってしまっているというのに。
私はさらに手の動きを早め、意地悪く先っぽも苛めてみます。
「あんっ、あんっ、だって、だってっ・・・、ほんとに、あっ、ああっあっああああっ!!」
軽く先端を引っ掻いただけで、瞬く間にエドガー様が達してしまいました。
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