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□素直に。
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素直に。
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『…よぉ、三橋は？』
放課後、たまたま泉に会った。
普段は田島と三橋の三人でグラウンドに顔を出すのに、今日は一緒じゃない。
「さぁ…なんか忘れ物取りに行ったんじゃね？」
『…ふーん。』
あいつほんとヌけてるんだよなぁ…
まぁ、そこが可愛いんだけど。
「あのさぁ…阿部…」
『あ？』
「昨日も三橋に怒鳴ってたろ」
……う。
泉って何かと見てるんだよなぁ…
「三橋の事好きならさ、もっと素直に感情表現しろよな」
『……!!?///』
「このままだと桐青戦、不安だからさ。」
『だ、誰があんな奴好きなもんか』
「…はいはい、俺先に下行っとくよー」
『お、おぅ……』
…くそ。調子狂うぜ。
…でも泉の言ってる事、確かに当たってるんだよな。
三橋を想えば想うほど…裏目に出てる感じ。
『素直に、っつっても……！』
ブツブツ呟いていると、廊下を歩いてくる三橋を見つけた。
「…！」
三橋も俺に気付いて、オタオタと慌ててだす。
…やっぱ、ハッキリ言った方がいいな…
俺は三橋に怖がられたいんじゃないんだ…
「あ、阿部君…も…忘れ物？」
『んなわけねーだろ』
「……っ」
…って、違う!!
これじゃいつもみたいにビビらすだけじゃないか…
『…三橋!!』
素直な気持ちを…言葉に…
「な、なに…？」
『俺…お前が好きだ！』
三橋は、一瞬目をキョトンとさせたが…
すぐにいつもの気色悪い顔になった。
「お、俺も…好きだ！」
ウヒ、と笑って。
『三橋の“好き”と、俺の言った“好き”は違う気がする…』
「……？」
それでもニヤケそうになる自分が情けない…
小さく溜め息をつき、自己嫌悪。
『ボケッとしてないで部活行くぞ！』
「う、うん…！」