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□だって好きなんだもん!
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「オ、オレも!!それ…み、見たっ…よ!!」
『…!』
ぎこちなく会話に入ってきたのは三橋だ。
「三橋も見た!?すっごいよな、あれ!!」
「うんっ!!オレも…か、感動した!!」
(あ〜あ〜、二人して興奮しちゃって)
…キリキリと胸が鳴る。
『……あ、三橋。阿部が呼んでる』
「えっ!!?あ、うっ…?!!」
オレがそう言うと、グラウンドの整備をしている阿部のもとへ駆け出す。
もちろん、呼び声なんて聞こえなかったけどね。
最近、ますます独占欲が強くなってる気がする…
(三橋にまで妬くなんて…オレどうかしちゃってるなぁ)
「ほんと可愛いよな〜!!」
『……え?』
水谷の方を見返すと、ヘラッと締まりのない笑顔。
『なにが…?』
「三橋だよ、三橋!」
なんか面白いし可愛いよなぁ!
と、オレに同意を求めてきた。
もちろん三橋が良いやつってのも分かるし、面白いのも同感だ。
『あ〜、三橋のこと好きなんだ?』
…なんて笑いながら、からかってみた。
不規則に早まる自分の心臓の音をかき消すように。