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□なんてったって思春期ですから
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『ほら、カルピス入れたぞ』

「うん、準さんありがとー」


勝手に部屋まで押しかけて来た利央に、わざわざ飲み物を出してやるオレってなんて寛大なんだろう。

しかも人のパソコンで何やら息抜きに謎解きゲームをしてる模様。




『それ終わったら勉強の続きするぞ』

「うん、分かってるー」

『ったく…なんでオレが毎回教えなきゃなんねーんだよ』

「恋人だから教えてもらえって山さんがー」



よほどゲームが面白いのか、あまり気のない返事ばかりをする利央。

恋人って言葉に少し気分が浮かれるオレもどうかしてっけどさ。
人に勉強教えてくれって押しかけた利央がこの態度ってのはどうなわけ?




『……んな面白いのか?』

ちょっと気になり画面を覗き込むと

「あ、準さんもやってみる?」

なんて、やや強引にイスに座らされた。


まー、さっさと終わらせておバカ利央の勉強見てやろうと思ってたんだけど。




『…なんだこりゃ』

「準さん全然進まないじゃん!!」


いや、全くその通り。
ただの無料配布ゲームだと舐めてかかってたな。

オレが苦戦する間も利央は、ちゅーっとストローでカルピスを飲みながら楽しそうにオレの背中にへばりついてる。




『…利央は分かんのかよ』

「うん、簡単じゃん!」

『んじゃ解いてみろよ、ほら』

「えー……どーしよっかなー」

オレが解けないと分かった途端、やけにえばりだすバカ利央。


『別にオレだって時間かけりゃ分かるけどな』

「またまたぁ!準さん見栄張っちゃってー」



…なんだろう。
オレの拳に尋常じゃないくらい力入ってんだけど。



「解いてあげてもいいんだけど…あー…でもなー」

『……』

しばらく待った後、そろそろこの拳を一発食らわしてやろうかと思ったら一言。



「でも…いつも甘やかしてたら準さんの為にならないよね!」


どの口がそんな事言えんだよ、教えてくれ。



『ざっけんな、お前もほんとは解けないんだろ!』

「あー、解いてあげたいのは山々なのに…」

『聞いてんのか利央!』

「準さん…たまには自力でやらなきゃ!」


あー、ほんと腹が立ってきた。
なんでこんなバカが好きなんだ、オレ?





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