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□それくらいが丁度いい
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「準さん、準さ〜ん!」

「ん、どした?」

「オレの事、好き…?」

「はぁ?な、なんだよ…いきなり」

「ねー!好き?好き?」

「…好きだよ」

「えっへへー」





『………。』


なんだこれ。

朝からまたえらいもん見ちまった。


















「おは、本やん」

『はよー山ちゃん。今日も可愛いなー』

「発情しないでねー」


と、ここでいつもはキャイキャイじゃれあうんだけど。

朝から濃いのを見せられたもんだからさ。



『そんな気分じゃないー』

なんて言って席に着いた。

山ちゃんがすごい不思議そうな顔してこっち見てる。



「本やんご機嫌ナナメ…?」

『え…』

オレを覗き込むようにして山ちゃんが訪ねてきた。

ふんわり良い香りを乗せて。(オレって変態)




『教室じゃなかったらキスしてっぞー』

「バーカ。ちゃんと答えなさい」


まだ朝早いから誰もいないし。
半分本気で言ってんのに流す山ちゃん。

あ、半分本気だからこそ流してんのか?





『……』

「おーい、本やーん?」



よく考えてみれば、オレと山ちゃんの間に本気なやりとりって皆無じゃない?


ふざけあって、じゃれあって。

いつも、本気なのか冗談なのか分からないようなやりとりの繰り返し。





『別に不満なんてないけどさー…』

「…?」



時々、真っ直ぐな恋愛してる準太達が羨ましく思ったり。






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