今は、夜中。



だいたい1時ぐらいといったところ。

ベッドの上で目を開けている


寝る気も全然しないし


むしろ、起きていたい感じだ。








そうえいば、最近俺




フィディオと連絡取ってないな


そんなことばっかり考えて生活してる。





もしかしたら俺を嫌いになったんじゃないだろうか?

とか

他に好きな人ができたんじゃないか、とか。





別に、いいんだ。


俺じゃなくても




フィディオが好きなら、いいんだ。



わがままなんて  いえない。




























練習が終わって、自室へ帰った。


…夕方の6時ぐらい。



夕食は、もう少ししたら始まる。




それまでは、自由行動みたいなものだ

いつもは、マルコやジャンルカの部屋へ行って遊んでいるが



今日は、そんな元気じゃなかった




だって、最近



全然マークと連絡を取ってないからだ。


心配になってしまう。



FFIが終わって、俺を忘れたんじゃないだろうか。

とかね。


そんな事しか考えてないような気がするんだ。






でも、絶対に欠かせない事がある。




寝るまで、ずっと電話を待ち続けてる。



こないって分かってるけど、待つんだ。



待ってなきゃいけないんだ。


















「…もう2時か…」


気が付くともう一時間近くたっていたことに気づく。




「メール、してみようかな」




思い切って、携帯を手にする。



そして、メールを新規作成。


宛先は




フィディオ・アルデナ。






なんでだろう。

いつもみたいに、さっさと打ちたいのに。



なかなか、指が動いてくれない。


いつもなら もっと早く 




〔久しぶり



元気だったか?
最近、連絡取ってなかったから心配した。

そっちがいいなら、電話、していい?〕





やっと打てた文字に目を追わせて、ふぅとため息をつく。



送信、した。






















……気づいたら、寝ていた。


はっと起きた。




頭元で、携帯がなっている。




「…誰からだろう」





ゆっくりと、携帯に手を伸ばした。

携帯を、あける。



差出人。



マーク・クルーガー。





その久しぶりの名を見て、嬉しくなった。


メールを開く。



文字一つ一つに目を追わせ、読み終わった。




「…で、んわ」




そう、呟いた。




返信することにした。




「…電話、したいな…」


そう言って文字を打ち始める。



〔久しぶり!

ほんと久しぶりだから、びっくりしたよ。
元気だよ?マークも元気?

電話、してもいいよ〕



返信した。





返事が返ってくるのが、やたら遅く感じたんだ。





























携帯が震える。




急いで、携帯をあける。



フィディオからだ。




「…っフィディオ…」



目を細める。




今度は、普通に打てた。



〔俺も元気だよ。

電話、今からするよ?
まってて。〕




返信した。




はやく、フィディオの声が聞きたい。































手の中の携帯が震える。



ずっと握っていた。

そのためか、少し携帯が湿っていた。




「…っマーク…!」



嬉しそうにメールを開く。




その、最後の文字に顔が赤くなった。



「…今から…電話…かかってくるんだ」



嬉しいはずなのに、少し困ったような。




でも、素直に喜ぶ自分がいた。



早く、かかってこないかな、とか。











ふたたび携帯が震えた。



これは、メールじゃない…これは……






震える指で、電話にでた。







「……マーク…?」


控えめに、名前を確かめる。






























ああ、何ヶ月ぶりだろう。





ずっと聞きたかった。


この愛しい、君の声。






「…フィディオ……!」


震える声で、言った。





























ああ、向こうから聞こえる声は



俺が望んでいた、君の声。


「…マーク…っ…」



マークが好きだ。
























「…フィディオ…元気…だったか?」


緊張して、うまく会話ができない。
















「…うんっ…マークも?」


少し、声が震える。

緊張しているのかな。











「…ああ、元気だった。……」











「…そっか、よかった……」







沈黙が続く。






もっと話したのに

色んなこと、話したいのに


うまく、いえないんだ。





それから、他愛もない会話を繰り返していた。





「…あっ、もうこんな時間かぁ…」





しょんぼりと、したフィディオの声




「ホント、だな…もう、寝ようか」



仕方ない、と応えた。



「……やだよ…もっと…っマークと話してたい…っ!」





もっと、話したい

もっと、分かち合いたい

もっと、



触れ合いたい。






「…フィディオ・・・っ!」




目に涙が溜まる。



顔が熱くなる。




会いたいよ。



会いたい。



君に、会いたい。

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