あの日から シリーズ

□あの日から 夏編
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1話〜夏だ!海だ!臨海学校だ!?


ある日の夏――
杏「ねぇ…亮、冴…なんで、夏ってこんなに暑いわけー?」

すっかり、性格が戻り、元気になった杏が、ぐったりしながら言う。

           ※詳しくは、春編を見てね。

亮「そんなこと俺に聞かれても、な……」

冴「…困る」

すっかり、仲良くなった(?)3人は同じクラスと、いうことで、いつも一緒にいる。

杏「う〜…暑い…海でも行って泳ぎたい………」

亮「海?」

?「でも、海に入った後って、余計に暑くなるものですよ?」

杏「そうなんだよね〜……ん?」

聞き覚えの無い声がしたので、顔を上げ、振り向く。

そこには、長い髪を一つに結っている男の人がたっていた。

彼が浮かべている笑みは、優しそうな印象を受ける。

杏「えっ?あの………」

突然の登場に戸惑いを隠せない様子の杏。

?「あ、突然すみません。楽しそうだったので」

微かに笑いながらそう言う。

杏「は、はぁ(どこかで、見た事が………)」

亮「なんで、ここに居るんだ?」

?「あれ?亮、って、ことは…この子が亮の言っていた…?」

亮「あぁ、そうだけど…なんで鐘が?」

杏「亮の友達?」

亮「あ、友達っていうか………」

少し、焦ったような様子を見せながら口ごもる亮。

鐘「初めまして、僕、3年の和痲 鐘っていいます」






和痲 鐘(かずめ しょう)と名乗った男の人。

そんな鐘をじっと杏は見つめる。

杏「あ、えっと…冴芽崎 杏です(あ、思い出した)」

しばらく、見つめたあと、挨拶をしていないのに気づき、自らも名乗る。

鐘「?」

ただ、今もまだジッと鐘を見つめている杏。

そんな杏に少しだけ首をかしげる鐘。

杏(3年生で、この春、亮たちと同じくらいに転入してきて………)

首をかしげる鐘は見えていないかのように、杏は記憶をたどっている。

亮「で、鐘は逃げて来たのか?」

亮が苦笑しながら、そう聞く。

鐘「ハハ…まぁ、そんなところかな?」

鐘も同じように苦笑で返す。

杏(学年で、すごく人気の………)

鐘「……えっと」

ずっと、鐘の事を見ている、杏を困ったように見る。

亮「杏?どうした?」

杏「あ…いや……確か、図書室でよく見かけるような………」

鐘「あぁ、多分あたりです。本を読むのが好きなんです」

杏「そうなんですか……私も、本を読むのは好きですよ」

微笑しながらそう言う。

鐘「へぇ…そうなんですか」

それを聞いた鐘も、嬉しそうに微笑む。

杏「はい!」

亮「…ところで、鐘」

二人の会話を見ていた亮が言う。


     
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