あの日から シリーズ

□あの日から 冬編
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第1話  クリスマスパーティ



もうすっかり、寒い、寒い冬になりました。

杏「うぅ〜……今日も、寒いね」

手で手を擦りながら言う。

冴「そうだな………」

亮「一年って、早いな………」

杏「うん、3年になったら、またクラス替えだね」

詩「私と杏を引き離すなんて……絶対に許さない」

杏「まぁまぁ、まだ別のクラスになるわけじゃないんだし………」

少し苦笑しながら言う。

亮「でも…離れるかもしれないな………」

杏「もう、亮まで……もっと、前向きにいこうよ!!」

亮「でも、杏と離れるなんて……嫌だよ(それに、あの野郎が、同じになるかも………)」

杏「んー…もう!!私も離れるのは寂しいけど、会えないわけじゃないんだから!!」

冴「それに、まだ約4ヶ月はあるけど?」

ずっと、黙っていた冴が口を開く。

杏「そうだよ!!まだ、4ヶ月あるよ!!」

亮「たった、4ヶ月だぞ?」

杏「むぅ……そうとっちゃったら、ダメだよ!4ヶ月もあるって考えよう!!」

亮「そうだな………」

そう言う割には、テンションが低くなっている。


杏「……そういえば、もうすぐクリスマスだね!!」

無理やり話題を変えようとする。

詩「そうね………」

杏「みんなは、欲しい物とかある?」

亮「欲しい物か……(物じゃないな………)」

冴「………」

亮「杏は?」

杏「私?んー……そうだねー………」

言いながら、すごく悩んでいる。

杏(欲しい物……物じゃないなぁ………ただ、みんなと笑いあいたいかな…?)

亮「ない?」

杏「うーん……やりたいことならあるかな…?」

数分かかり、やっと出した答えだった。

冴「やりたいこと?」

杏「うん、みんなでクリスマスパーティっていうのかな?」

詩「クリスマスパーティ………」

杏「うん、みんなで美味しいもの食べて、プレゼント交換とか!!」

笑顔で楽しそうに提案する。

亮「プレゼント交換か………」

杏「うん……ダメ、かな?」

今度は不安そうな顔になる。


冴「…俺は、良いと思うけど?」

亮「あぁ、楽しそうだしな」

詩「私も、杏と一緒だったら、なんでも楽しめるから」

杏「本当?やったぁ!!」

満面の笑みで言う。

そんな会話をしていると―

「亮君、冴君」

ある、女子グループが亮と冴を呼ぶ。

亮「ん?」

「ちょっと、良いかな?」

そう言い、亮と冴の周りに女子達がたくさん集まる。

杏「わわっ………」

詩「……杏、大丈夫?」

そのため、杏と詩は押し出される。

杏「うん……大丈夫」

苦笑しながら言う。

詩「もう、いったい、何なの?」

そう言いながら、女子達に目をやる。

亮「え、何?」

「あのね、私たち、クリスマスパーティやるんだけど………」

「良かったら、来ない?」

亮「…あー……悪い、もう予定入ってるから………」

「えー!?何の?」

女子達が一気に悲しそうな顔をする。

亮「…えっと、友達と遊ぶんだ………」

「あ、じゃぁ、その友達も連れて来てよ!」

亮「悪い、大事な用だから………」

「えー?じゃぁ、冴君は?」

冴「え……」

少し驚いたような声を出し、そのまま黙り込む。

亮「悪い、冴も一緒だから!!」

そう言い、冴の腕を引っ張り、亮と冴は廊下に出て行く。


    
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