頂き物

【社恋】伊織ちゃんからの贈り物〜桜澤純哉〜
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我がInfiniteが発信した彼シャツワンピの大ヒット!



私の部署ではその企画に携わり、連日が大忙し!!



当然、純也とのデートもままならず……



正直、かなりの欲求不満(苦笑) ┐('〜`;)┌



そりゃお互いの家を行き来はしてるけど、朝は早く、夜も残業続きでゆっくり過ごす暇も無く…



普段、残業しない主義の純也もさすがに疲れが見え隠れ



(私に合わせて残業したりしてくれてたりするし…)



だから明日の休日は絶対にゆっくりと二人で過ごすの!!



「ねぇねぇ、海も着てみなよ、彼シャツワンピ、考案者の海が着ないで誰が着るの??

僕、海が着たとこ見てみたいなぁ〜♪

それにそのままじゃゆっくりできないじゃない??」



仕事をちゃっちゃと切り上げて、今日は残業なしで純也の家に買い込んだ夕食の材料を片っ端からやっつけていこうと帰ってきたままの服装(スーツ)にエプロンつけて、髪も一つに纏め上げる



広いシステムキッチンに向かって野菜を切っていると…



ワインを買いに行っていた純也が私の後ろで甘えた声を出している



「あのワンピは……」



「まぁいいじゃない!
とりあえず今は腕を揮って美味しい料理作るから!!

包丁危ないから向こうで純也は先に待ってて?」


 
私の腰を抱きながら、首筋に頬をくっつける純哉にそう言ってみる



「む〜…分かった(--;)
今日は海の手料理を楽しみに仕事してたから、おとなしく待ってるよ

でもその前に……」



グッと腰を引き寄せられて、あっという間に身体が純也に傾くと、そのまま唇は深く甘くふさがれる



「ん…ふぅ…」



私の反応を楽しむように舌で口内を弄び…



腰を抱いていた手がエプロンの中に…



「…!!ちょ、ちょっと待って!」



「ふふ…顔が赤くなった!続きが楽しみだね?」



慌てた私に楽しそうに唇を放して、色気たっぷりの笑みを向ける



絡み付いていた腕が、指が私の身体に静かに余韻を残して



私はハッと手元に包丁を握っていたことを思い出して、煩悩と戦いながらその手を早める



(もう…純哉ったら!
ただでさえ欲求不満に純哉不足で…身体が疼いちゃうじゃない!!



……こんな風に振り回されちゃうから…あのワンピは純也の前で着れないんだよ?)



さっきは濁した彼シャツワンピ



私も当然、社内販売で購入済み



前から純也も着てみて欲しいことを匂わせていたから、その前に家で試着してみたけど…



どうみても絶対に純也を喜ばせてしまいそうで…



どうせなら……


 
食事するときに着替えてゆっくりと…のほうがいいかな?なんて思ってみたりして



まだ私の荷物の中で眠っている



純也の挑発に触発されちゃったし、急ピッチで料理を仕上げていく



テーブルにすべての準備が整う頃には、純也も着替えを済ませて、ワインの準備をしてくれていた



テーブル中央にはキャンドルと花も飾られていた



こういう時の純哉はとことんこだわる



演出も申し分なし



ラフなルームウウェアを着用していても、その紳士的な振る舞いにはやっぱり気品がある



「食事の前に私も着替えてくるね?」



久しぶりにこういうムード満点な雰囲気になんとなく気恥ずかしさを感じて、私は寝室への扉に手をかける



「待ちきれないから早くね?」



またあの笑みで私に誘いをかける



逸る気持ちと、照れくささと



急ぎたいけど、どこか焦らしてみたいまるで楽しみにしていたプレゼントを開ける瞬間の子どものように



私は着替える



さっきは純也に翻弄されたその仕返しに



ワンピの下に着ようと用意していたショートパンツをあえて着ずに



私も純也を翻弄してやろうと決めていた



そして寝室から出てきた私に目を向けた純哉



危うく手にしていたグラスを落としそうなくらいに動揺していた


 
(うふ!ちょっとは純也に刺激を与えられたみたいね)



ちょっと得意に、ちょっとさっきまで翻弄されていた私に



女としての魔性が目覚める



自分で着て欲しいと言っていた割に、実際にそうなったのに照れくさそうにしている純哉



それを見て嬉しい私



純也もどこかスキンシップをどこまで進めようか考えながら私の手に触れている



そんな仕草のひとつひとつがいとおしくて初めてデートした時のように初々しい雰囲気の中で食事が進んでいった



諌める純也を押しのけて、一通りの片づけを済ませて



ちょっと拗ねた純也の座るソファーに



純也はぼんやりとワイングラスを片手に、ただボーっとしている



私は純也のワイングラスを取り上げ、純也の足の間に座り込む



「どうしたの?さっきから様子が変だよ??」



その様子の変化の理由は分かっているけど…



魔性の私はイジワルく微笑む



「海って結構、意地悪なんだね??

僕…もう……」



そして……



純也は私の身体をきつく抱きしめる



私も純也にしがみつくように背中に手を回すと
それが合図のように、純也の熱い口付けが待っていた



お互いが待ちきれなかった



さっきキッチンで交わしたキスなんて序の口



窒息しそうなくらいに苦しいけどその倍以上に甘美で情熱的で野性的…
いつもの純也が抑制されたものから開放されたように



私を求める



時折、息継ぎの合間に囁く



「海……海……」



って声が



いつもより低くて、よりセクシーさを醸し出して



それだけで私は………









翌朝



夕べの激しさを表すように、散乱した服



乱れたシーツ



力の入らない身体…



それでも私を放そうとしない純哉の腕がこれからのことも予想しているようで



私の身体は再び熱を帯びる



「君が考案しただけあって、君の色香にあのシャツワンピは反則

僕の理性をギリギリまで試そうとしているような海の挑発的な態度も魅力的だったし

きっと僕は海に一生頭が上がらないかもしれないね??」



起きた開口一番の純也の言葉



『一生』ってところにキュンとしながら私達はその日もベッドの上で一日を過ごすことになる……



(きっと私も純也に一生、頭があがらないよ…)









fin

 

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