頂き物
□【SP】ぱだしゃんからの贈り物〜桂木大地〜
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年甲斐もなく全力で走った為に、息が上がってしまい、控室のドアの前で呼吸を整える
ドアをノックしようとすると、中から彼女の声が
『だから……サクマ課長と………シラサギ課長………どっちも………す……き…えっ……とし………がいいな………』
課長?!好きッ!?
な、なんなんだ、一体、誰と話してる
話の内容が知りたくてドアにぴったり耳をつける
『やだぁ……たら……そりゃ……の方がいいけど…………パンツもいいな……』
な、なんだ……パンツってなんだ……
もっと、良く聞こうと更に体重をかけると
ぎぃ〜という音と共にドアが開いて
「うわッ!」
つんのめるようにして控室になだれ込んでしまった
「きゃッ!だ、大地さんッ!」
「あっ、いや…あの」
久しぶりに彼女に会うのだからもっとスマートに格好良く会いたかったのに………な、なんでこんなお笑いタレントみたいなことに………
「大丈夫ですかッ?!」
携帯を片手に床にへたりこんでいる俺の元に彼女が駆けよってくる
「どうしたんですか?どこか打ちましたか?立てますか?」
「だだだだだ大丈夫」
盗み聴きしていた疚しさと物凄く格好の悪いところを見られた恥ずかしさから上手く話せない
「大地さん………」
彼女が顔にかかる前髪をかきあげてくれる
「海………」
心配そうな彼女の瞳、淡いピンクで彩られた誘うような唇
自然と二人の顔は近づき………彼女の甘い吐息と甘い唇を………
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ、いけないんだぁぁぁぁぁぁぁ…ふがふが」
海の唇を味わうまであと一歩のところで、甘い雰囲気をぶち壊す声が響き渡った
慌てて海から離れ、声のした方向に顔を向けると、そこには天使の微笑を浮かべた瑞希とその瑞希に両手で口を押さえられもがき苦しむ そら、顔を真っ赤にして明後日の方向を向いた海司が立っていた
「いやぁぁぁぁ/////////」
可愛いらしく声を上げて、真っ赤になって自分の両手で顔を覆う海
か、可愛いい////////
い、いや 欲 情している場合ではなく
「あ、あの、こ、これはだな………」
班長の威厳を取り戻すべく、言葉を紡ごうとすると
「大丈夫です班長……お邪魔しました。僕たちは退散しますから続きをどうぞ」
「ふがふが………」
「///////////」
天使の微笑を崩さない瑞希はサラリと嫌味とも取れるセリフを吐き、顔色が赤黒く変わって来ている そらを引きずりながら部屋を出ていき、顔を真っ赤にした海司もペコリ
と頭を下げると二人の後を追うように『バタン』と力強いドアの閉まる音と共に出ていった
後には瑞希を怒鳴りつける そらの声と真っ赤になって顔を隠す可愛いい海と部下の尊敬を無くしたであろう俺が残された