聖闘士星矢
□Barタウラス《ムウ&アルデバラン》
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―カランカラン…
バラン
「…いらっしゃい」
ムウ
「おや…今日は静かですね…」
バラン
「何にする」
ムウ
「マティーニを」
バラン
「…どうぞ」
ムウ
「ありがとう」
ムウがグラスを手に取り口をつける…
その流れる動作と同じように…ゆっくりとした時間が流れる…
フウッ…と溜め息をつくと、それに気付いたアルデバランが口を開く
バラン
「…どうした?」
ムウ
「……貴鬼が変なことを言い出しまして」
なんだか子育てに疲れた主婦みたいだなと思ったけど、敢えて言わずに大人しく耳を傾けるアルデバラン
ムウ
「『なぜ紫龍やミスティは戦闘中に脱ぐんですか』って…知りませんよそんなこと。しかもミスティに限っては全裸ですよ全裸!」
バラン
「……(汗)」
ムウ
「あんな露出狂の考えなど理解もできませんし説明もできないので困ってしまいました。全く…貴鬼に戦闘のいろはを教えるつもりが悪影響を与えてしまいましたよ」
バラン
「…それは…大変だったな…」
ムウ
「それにしてもあの男、私の体に穴をあけるとか抜かしてました。馬鹿ですねぇ…だから星矢なんかに負けるんです」
バラン
「うっ…(涙)」
↑負けた人
ムウ
「あんまり騒がしいので星と共に消してやろうかと思いましたが、こんな相手に小宇宙燃やすのも無駄ですし、一応アテナからは私闘禁止と言われてますからね」
バラン
「一応ではなく大事な掟なのだが…」
ムウ
「『白銀と青銅とは神と虫けらくらい差がある』と言ってましたが、私から見ればどちらも虫けら。神が手を汚す価値もない。だから星矢に働いてもらったんですよ」
バラン
「…勝てたから良かったものの…」
ムウ
「中々見処ある少年でしたから、勝つとは思ってましたよ。というか、ここで勝てないような男はいりません。しかも、相手は敵の力量を見誤る大馬鹿者」
バラン
「……耳が痛いな」
ムウ
「……貴方は見誤らなかったじゃないですか」
バラン
「……まあ…そうなのか…」
ムウ
「そうですよ」
バラン
「……そうか」
ムウ
「……フフッ…」
―カチン…と音を立てて互いのグラスを合わせる
本日のbarタウラスは…静かな時間が流れて行く…
どうでもいいが、ムウはマティーニが意外と似合うと思う
-fin-