頂き物

【社恋】日向師匠よりPresent〜白鷺凉真〜
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「…海、誕生日おめでとう」




「…涼真さん…」




涼真は海を抱き寄せると彼女のお腹を撫でながら――…
《…今日はママの誕生日ですよ――…
貴方も…もう少ししたら――…》
妊娠を告げるまで随分の時間を要したのは涼真がどう思うかずっと不安だったからで、彼はそんな様子に気付いていて――…
正直に話すと涼真は抱き締めて――…




〈…話してくれてありがとう。これからは一人で抱えないで下さい。私も居ますから――…〉




有り体な言葉だが、一人で越えられない壁も二人でなら乗り越えられる――…
今までもそうして乗り越えてきた。そして家族になり、新しい命が宿っているのを知り――…
涼真、海にとって初めての子供、妊娠して迎える初めての誕生日――…
今年は全て初めてだらけで――…




「…動いてる。涼真さんの声に応えているのかも」




海がそう言うと嬉しそうに微笑む涼真。
会社での冷静な顔と打って変わって、穏やかで、優しい――…
《父》の顔が見て取れて、海もまた嬉しくなって――…
《…涼真さん、激甘なパパになりそうですね》
この子と三人、歩く姿――…
遠くない未来を浮かべるだけで頬が綻んで、そんな彼女
を見て、涼真は――…




「…そうですね。自分でも思います」




部屋の隅を見やるとベビー用品が並んでおり、これらは全て涼真が買って来たもので。
《――…甘いのは貴女にも…ですよ?私を甘くさせるのは後にも先にも貴女とこの子だけです》
涼真は顔を近付けると触れるだけのキスを交わす。




「…愛しています。貴女と出逢えて、貴女と家族になれてとても幸せです。
これからもずっと守らせて下さい――…」




「…はい。私も涼真さんとこの子を守りますから。
――…愛しています」




再び微笑み合い、口付けを交わす。
《――…born to love you》
この愛しい日々が続くようにと、そう願いながら――…




「…愛しています」




――終わり――

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