鬼畜眼鏡

□特別な休日
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「普段がんばっている佐伯君にご褒美があるんだが」御堂はリビングで本を読んでいた克哉の隣に座ると淹れたてのコーヒーを二つ置いた。
「えっ?どうしたんですか御堂さん」
家ではいつも名前で呼ぶ御堂に不思議そうに聞き返す。
「いや、普段から会社でも家でも伴侶としてがんばってくれている克哉を労ってやろうかと思ってな」
御堂は隣に座る克哉の頬に唇を付ける。
「くすぐったいですよ。御堂さん、それでご褒美ってなんなんですか?」
克哉はくすくすと笑う。
「それは、今週末まで秘密だ」
御堂はにやりと笑うとそのままソファに克哉を押し倒した。


「うわ〜何かかわいい建物ですね」
白亜の洋風の建物を見て克哉は声をあげる。
「ここは、本場で修業したシェフが経営しているオーベルジュだ。」
「オーベルジュ?」
克哉は御堂に問い掛ける。
「まぁ、簡単に言えばレストランメインの宿だと思えばいい」
「へぇ〜そうなんですか。とりあえず、中に入りましょう」
部屋に通されるとバリ風なツインルームに通された。
「御堂さん、すごく眺めがいいですよ」
克哉はテラスに出ると身を乗り出して辺りを見渡している。
「そこまで、喜んでもらうと私も誘ったかいがあったというものだ」
御堂は笑う。
「すみません。一人ではしゃいでしまって」
克哉はうっすらと頬を染めて、申し訳けなさそうに御堂から目線をはずす。
「何をあやまる?恋人がうれしそうにはしゃいでいるのを見て私が怒るとでも思っているのか」
御堂は克哉を後ろから抱き締めた。
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