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□夢見る現実
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「……ご、ごめん。何でもない」


悲しんでいるような笑っているような微妙な顔のランカ。


「そうか?なら、良いんだが…」

何でもないようには見えないが、ランカが何でもないと言っているのだからこれ以上問い詰めても仕方ない。



「う、うん。ごめんね、忙しいのに呼び出して…。じゃあ また明日、バイバイ!」


「おお、また明日な…」

ランカは手を振り教室から出て行った。



さっきの雰囲気…

何か…


いや、まさかな




きっと気のせいだ



               
自分にそう言い聞かせて俺も教室を出た。                                                   




















うわあああ〜

あともうちょっとで告白出来たのに!!



はあとため息をついて、さっきの出来事を思い出す。



でも寝ちゃってたとき、なんか良い夢みた気がするなあ………

優しく頭を撫でられて…

好きって言われた気がする

その声はアルトくんに似てて…



きっと夢だよね!!

きっと私の願望が夢にまで出てきただけで……





でも




「夢じゃなかったら、良いのになあ……」



そんなことをぽつりと呟いて、私は日が沈みかけて影をつくる街へと歩きだした。



                                                 
【夢見る現実】/夢の中の誰かはとても優しくて
                    
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