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□夢見る現実
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「…ランカ、おい起きろ」
ゆさゆさと身体を揺らすと、むくりとランカが顔をあげた。
「……あれ、…アルトくん?」
うつ伏せで寝ていた為、額が赤くなっている。
「ごめんな、メールくれたのにこんな時間になって」
謝るとランカは呆けた顔で聞き返した。
「お前がメールで放課後待ってるって」
「ああー!!良かったぁ〜…。もう来てくれないかと思ってた…」
心の底から安心した様な顔を見せるから期待してしまう。
ランカも俺のことを好いていてくれているんじゃないか、と。
「悪い、こんな時間になっちまって…」
「ううん!良いの、アルトくんだって忙しいのにゴメンね」
ランカが首をぶるぶると横に振ると、犬耳のような髪がそれに少し遅れて付いて来る。
それが面白くて少し笑ってしまうとランカはきょとんとした目で俺を見てくる。
「いや、何でもない。それで話したいことって何だ?」
俺がそう言うとランカは途端に顔を赤くし、狼狽えはじめる。
「あ、あの、ええーっと…その、は、は話したいことっていうのは、その……」
いきなりしどろもどろになり、俺と目を合わせようとしない。
「? ランカ?」
「はっ、はい!!ええっと、その……わ、私は、アルトくんのことが、すすすす好き「おい、まだ残ってるのかー?もう教室閉めるから早く帰れよー」
「!!」
二人が声のする方に顔を向けると先生が居た。
「あ、はい。もう帰ります」
一応俺がそう返事をすると先生は去って行った。
「…それで、悪い。邪魔が入って聞こえなかった。もう一回頼む」