ナミダノアト
□No.2
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うちが青の祓魔師の世界にトリップしてから数ヶ月がたった。みんなには仲良くしてもらっている。毎日竜士達と遊んで、何不自由なく快適な生活を送っています。でも、そんな日常が変わる。
いつものようにかくれんぼをするために家の近くにある森の中へと入って行った。
「おっしゃあ!やるでぇ!」
「廉造、はしゃぎすぎや。…やっぱ、今日はうちで遊ぼうよ。」
「さっきからどうなさったんですか?」
子猫丸が首を傾げて聞いてくる。
「…なんか、今日は嫌な予感がするんや。」
「気のせいや、気のせい。気にしはんな。」
「でも、竜士…!」
「ゆりかが鬼や。ほな、十数えたら探しにきぃ。」
竜士はそう言って有無も言わさず廉造と子猫丸の腕を引き暗闇に消えて行った。
「ちょ!待ってよ!」
だが、既に三人の姿は見えずうちは一人っきりになってしまった。
「くそ竜士。ガキだからってなんでもかんでも許して貰えるわけじゃねぇんだぞ…!」
くそっと悪態をつく。でも、悪態をついたとしても現状は変わらないわけで。はぁとため息をつく。
「…でも昨日の竜士の寝顔…可愛いかった。」
悪態をついていたはずなのに昨日の竜士の寝顔を思い出してほうっと息を吐く。携帯があれば写メ撮ったのに…。
「もう、十以上たったし探しに行くか。」
昼間といっても木々の葉が光を隠しているために周りは薄暗い。
「竜士ー!廉造ー!子猫さーん!」
歩き回りながら名前を呼ぶ。かくれんぼなだけに名前を呼んでも出ては来ない。
「……。
………うわぁぁぁぁあああん!!!怖いよぅ!廉造ー!!!うわあああぁぁぁあああん!!!廉造が傍にいないとゆりか、寂しいよぉ!!!」
………
………………
………………………
………………………………
ちっ。近くに竜士がいるのか。
いつもならこう泣きまねをすれば廉造は抱き着いてくるはずなのだ。でも、それがないということは近くに竜士がいるってこと。
うちはあらゆる手を使っておびき出そうとする。でも、誰一人出てこない。
おかしいなぁ…。
なんでだろと思い周りを見るとそこは見たこともない場所だった。
「……ういえばうち方向音痴だった☆テヘペロ」
よくよく考えてみれば一人で鬼になったのは初めて。いつもは傍に誰かがいた。
「……やっべぇ。どうしよう。」
「お困りのようですね。」
「そうだね。めっちゃ困っt………。」
誰もいないはずなのに声がした事に恐れながらもうちはゆっくりと声のしたほうを振り返る。
「……ピエロ。」
そこにいたのはピエロ……ではなくピエロみたいな異様な格好をしたメフィスト。そしてなぜか傘を差している。
「始めまして。メフィスト・フェレスと申します。」
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