桜散る

□筋肉 ver新八
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左之と平助と舞と昼間っから飲んでる時だった

二人がこそこそと話してはじぃっと俺を見つめてくる


「なんだよ」

「いや、なんでもねぇよ
なぁ、舞」

「うん!」


舞は少し顔を赤めながら平助に同意した


「あれだ
新八のあまりのかっこよさに二人して惚れてたんじゃねぇか?」


左之の言葉に平助は爆笑しだす


「だはははははははは!
左之さん!
冗談がすぎるって!」

「おい、平助
手前、それはどういう事だぁ!?」

「新八は!」


急に声を大きくした舞に俺達は目を丸くする

そんな俺達に気づいたのか舞はもっと顔を赤くし俯きながら言う


「新八は・・・・
かっこいいよ・・・・」


舞の言葉に固まる俺

左之はあんぐりと口を開け

平助は目を見開く


「あー
舞?
正気か?」

「ちょっと待て、左之
手前、そりゃぁどーゆー事だよ」

「正気だもん
私、新八の事
好きだもん」


なぬー!?

す、すき・・・?

舞が・・・・

俺をー!?


「好きだよ、新八の筋肉!」


舞の言葉で俺はこけた


「「ぎゃははははははははははははははは!!!」」


広間に左之と平助の笑い声が響く


「傑作だ!
舞の天然ぶりにはお手上げだよ!
ぷぷっ!」

「左之さん、笑いすぎ!」


俺はまだまだ笑いがおさまりそうにない二人に渾身の一撃を食らわせる


「ってー!!!
何、すんだよ!
新ぱっつぁん!」

「いてー
頭が割れるかと思ったぜ」


ってて、と頭を摩る左之にうるせぇと吐き捨て
俺は広間を出た

あー
いらいらする

ちっとでも期待した俺が馬鹿みてぇじゃねぇか!

後ろからとたとたと走って来る足音が聞こえる

足音で分かる・・・・

舞だ

俺は足音でこいつのだって分かるくらい好きなのによ


「し、新八!」

「何だよ」


後ろを振り向けば顔を真っ赤にした舞がこちらを向いていた


「えっと・・・・・
その・・・・・
私、新八の事
好きだよ・・・・?」

「あー
もういいぜ?
それ」

「そ、そうじゃなくて!
さっきは・・・・その・・・
つい口走っちゃって言っちゃったから・・・・その・・・・
ごまかしたけど・・・・
ホントに私、新八の事、好きだよ?」

「!」


目を見開く

そして顔が赤く染まるのが分かった


「そ、それだけだから!」


そう言って、走って行こうとする舞の手を引き、自分の方によせる


「し、新八!?」

「俺も好きだぜ」

「!////」


ゆっくりと自分の唇と舞の唇が近づき、そのまま・・・・・・

っと
後は恥ずかしくて言えねぇよ






筋肉

(なぁ、結局平助と何話してたんだ?)
(え?
新八の筋肉の話し)
(・・・・・また、それか・・・)


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