桜散る

□みつあみ Ver土方
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「出来たー!」

「おい
手前は何回言えばわかるんだ・・・・?
俺で遊ぶな!」


土方はそう言って、舞が結んだみつあみをとく


「あー
せーっかくやったのにぃ!」

「うるせぇ!
仕事してんだから、邪魔するんじゃねぇよ!ったく」

「だって土方さん
最近、仕事仕事ばーっか
たまには息抜きも必要だよ?
それに・・・・こーんな可愛いお嫁さんがいるのに構いもしないで」

「だれが嫁だ・・・・?
何処の誰が可愛いんだ?」

「うひゃー
失礼な奴!
あんたの目の前にいるでしょうが!」

「んな奴
俺の前にはいねぇよ」


土方は冷たく言うと、仕事を続ける


「・・・・・酷い!
そんな事ばっか言ってるとほかの人に乗り換えちゃうんだから!」

「あぁ
勝手にしろ」


舞は土方の言葉にキレ、部屋を出ていった


「ったく、あいつは・・・・」


そう、つぶやいた土方だったがやがて心配になり立ち上がる


「ちっ
どうして俺が・・・」


土方は真っ直ぐ広間へと足を運ぶ

しかし、中から聞こえた声で襖を開けようとした手が止まる


「ずっと前から・・・・・好きだった」

「俺も・・・・」

「!?」


舞が左之を前から好き・・・・?

土方の頭の中でぐるぐると二人の会話が回る


「・・・・・おい!」


勇気を振り絞り、勢いよく襖を開けると左之の膝の上に舞が乗り恋物語を朗読していた


「・・・・は?」


あまりの勘違いに思わず言葉が漏れる


「え?
土方さん?
何?
は?って」

「・・・・・いや、何でもねぇよ!」


自分の勘違いに恥ずかしくなった土方は踵を返す


「ちょ!?
土方さん!?

左之さん、付き合ってくれてありがとう!」


舞は土方を追って廊下を走る

ようやく追いつき袖を掴み歩みを止めさせる


「・・・・・・」

「どうしたの?」

「何でもねぇつってんだろ」

「・・・・・」


そこで舞は土方の赤くなった顔を見て感づく


「なるほど!
私が左之さんと愛を語り合ってるなどと勘違いしたわけですな!」

「・・・・違う」


否定する土方の声は小さい


「またまた〜


からかう舞を土方は問答無用に抱きしめる


「!?」

「・・・・・馬鹿
遊びでもあんな事するな
・・・・お前が好きって言っていいのは俺だけなんだから」

「!////
・・・・うん」







みつあみ

(また、みつあみさせてね)
(ぜってぇ嫌だ)
(・・・・・・けち)





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