桜散る

□あっち向いてほい Ver不知火
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「匡ー!あっち向いてほいやろう!」

「またか?
お前、どうせ負けるだろ」


舞はその言葉にむっとする


「負けないし!
大丈夫だし!」


不知火はにっと笑うとその場に座る


「わかった
ならやるか」

「やたっ!」


舞も不知火の前に座る


「じゃんけんぽいっ」

「あっち向いてほい」


じゃんけんに勝った不知火が声と同時に指を右に向ける
舞も顔を右に向ける


「勝ったぜ
相変わらず弱ぇな」

「ま、まだ一回目だもん!」

「はぁ」






「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ははははッ
だめじゃねぇか」


じゃんけんには勝つものの舞の指と不知火の顔は必ず反対を向く


「さて、と
今日はもう終わりにするか」


そう言って立ち上がろうとする不知火の足を掴む


「?」

「あと、一回だけ!
それで、これに私が勝ったら話があるの!」

「話?
普通に話しゃぁいいだろ」

「そ、それだと駄目なの」


舞は俯きながら言う


「わかった
最後の一回だぞ」

「うん!」


顔を輝かせて言う舞に不知火は自然と顔が緩む


「じゃんけんぽいっ」


じゃんけんに勝ったのは舞


「ほら、続けろ」

「う、うん!あっち向いてほいっ!」


舞の言葉と一緒に舞の指と不知火の顔が上を向く


「やったぁ!初めて勝った!」

「そうか
お前、今初めて勝ったのか」

「うん!」


舞は嬉しそうに笑う


「で、話って?」

「Σ」

「?」

「・・・・・え、っとね」


舞は恥ずかしそうに口を開く


「わ、私
きょ、匡がす・・・・好き!」

「!?」


舞のいきなりの告白に驚く不知火


「・・・・・あー」


ビクッと震える舞


「・・・・オレも」


せうボソッと言うと不知火はそっぽを向く


「っ!」


ぶわぁぁぁぁぁっと舞の顔が赤くなる


「ホントに!?」

「・・・・あぁ」

「やったぁ!」



あっち向いてほい
(
勝つまで言わないって、お前なぁ
普通に言えよ)

(無理だよ
言う、勇気がなかったんだもん)

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