小説『相合傘に恋してる』
□気の合う人
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ある日、クラスに転校生が来た。
そんなんに興味はなかったうちは気にしとらんかった。
けど、話してみるとものっそい気があってん。
「美星〜、オレはお前を愛してっぞぉー」
「うちもやー。愛してっぞぉ、悠夜ー」
今じゃ、名前で呼び合い、冗談を言い合えるほどの仲良しぶり。
親友も親友。気の合う友達になった。
*
きっかけは単純。
席が隣同士だったから。
「美星ー!!!」
「なん?どないしたん??」
「ん?呼んだかぁ??」
「三橋ちゃう!呼んだんは、“美星”や!!」
「あ、そかそか。悪い、聞き間違えたわー」
「気にせんとって。名前似とるから仕方ないよー」
「せやな。んじゃ、オレのこと間違えんように、悠夜って呼んでなぁ」
「はいよ。うちは美星って呼んでなぁ」
「あいよー」
これが初会話。
名前で呼び合ってるのもこの会話がきっかけ。
理由は名前の発音が似とるから。
うちの下の名前は“美星” アイツの苗字は“三橋”
だから間違えないように下の名前で呼ぶようになった。