現実スーサイド

□貪欲死刑囚
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こわい こわい

シーツの上に沈む右手
吐き気のする天井
割れた視界

耳の奥
鳴り止まない非難の声
乾く唇に腐敗した水
睫毛のよこに縁取る涙

要らないならいっそ
捨ててほしい
−の言葉に一喜一憂
憂いの方が多いけれど

背中に出来た傷を嫐る
胸が痛匕
庇護欲に塗れた自分
腸煮え繰り返る

眼球に消火器を噴射して
腐った世界とキミを
デリート
映したい景色は逃げていくから
喉を指で掻っ捌く
喉奥に指を突っ込んで
真実を話すから
ほんとのわたしをころしてね

罪なんて
軽いものじゃ括れない
爪を立てる度胸のない飼い猫など
飼っておくのも粋狂だ
狂ってる

愛らしく 気に入られるやうに
深々と爪を立てよ

口に出すのも憚られる
歪んだ真実に
寝言のごとく判決を突き付ける

嘘だって
ほんとに変えるくらい
あなたはわたしに残酷で
庇護欲に濡れた眼で
キミを視るワタシは酷く汚らしい








強く 強く
恨みを背中に刻みつけて
あなたに噛み付くから
苦しいくらいに残酷に
手酷く捨ててね
あんたなんて嫌いよ
もっともっと
さげずんで

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