空想パラドックス
□方舟崩壊
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内部破壊が進む
崩れ 剥がれ 朽ちてゆくだけ
再構築はされない
欠落が進む
わたしが失われる
心は過敏になってゆく
人の一挙一動が私を愉悦に浸らせる
死を覚悟するほどに 貪欲に
忍ぶ
憎しみに似たぬるい快感が私の欠損した脳を打つ
痛む胸は気をとられ 最後の警告が欠落する
至極にいたるほど足りないと感じて
嗚呼、なんと汚らわしい
欠落してゆく瞳は琥珀に染まる
目の前は
果たして希望の色か
絶望か
とかく私の脳髄は
色の洪水を向かえ いよいよ蕩け始め
最後には何もわからない
内部破壊を続けた躯は
思いも記憶も破壊した